そもそもアメリカに行ったのは１９８６年に当時学生だった僕は、北海道ツーリング高じてついに海の向こうまで行ってしまったのが、きっかけ。１年準備期間をおいて大使館に行ったりビザの申請をしたり、今みたいにインターネットがなかったから、結構大変で。

この間はお金を貯めるので愛車のＦＸにも何もしてあげられなくね。出発するときは結構覚悟決めていましたね。何しろ初めての海外で、英語はほんとに苦手。飛行機だって初めて。一緒にいった仲間と行く前からもしも何かあっても一人になってもこの計画を最後までやりとげよう！みたいな事も決め、当時仲良かったバイク仲間の後輩に“俺無事に帰って来なかったら俺のＦＸやるよ。”なんて事を言ったりするほどでしたね。あまりにも未知な世界だったし、カナダでは林道なんかにも分け入るつもりで、さらにできればカナダの更に北に上がって北極海を見ようなんて思っていた。

アメリカで中古をまとめて三台買って走り出したんだけどそのバイクがボロくてね。しょっちゅうバイク屋さん巡りで。そのおかげでいろいろアメリカのバイク事情や知り合いが出来たのが遠からずＣＬＡＳＳ４を始めるきっかけになったんだけど。このツーリングで僕は日本の大切さ、日本人の誇り、人間関係の大切さを知ったような気がする。普通の海外旅行では得られない経験をしたと思っている。泊まりはテントか安モーテルだったんだけど、何日かに１日は寝付かれない日があってね。一晩中ラジオから流れる音楽とハイウェイを通過する大型トラックの音を聞いていたねー。ほんと何かの歌の世界みたいでしょ？そんな僕もあれから太平洋往来６０余回、何のコネもなかったけど、今ではいろんな人と知り合えて、少しはあの頃と違った意味でアメリカを楽しめるようになった。しかし遊びではほとんど行ってないんですけどね。今の経験があればアメリカツーリングも面白いだろうなーって思いますよ、あの時は”つらい”事ばっかだったけどね。

だから今でも店に来る若い子なんかで夢持っている奴には応援したくなります。もっともまだまだ自分も若い頃のつもりのままでいるんですけどね。